灰皿と煙草の吸殻

タバコを止めたいけれど、止められないという人は多くいます。
吸わない人からすると、「どうして禁煙できないのか分からない」と思いがちですが、一度タバコを吸い始めてしまうと、止められなくなる人がほとんどです。
そこには、タバコに含まれる物質に依存性があるからです。

そこで今回は、なぜタバコを吸いたくなるのか、原因や正しい禁煙方法について、喫煙者の禁煙のキッカケと共に詳しくご紹介していきます。
禁煙に関する知識を持つことで、きっとタバコ依存から抜け出すことができるでしょう。

何故タバコが吸いたくなるのか

煙草とマッチ

なぜ禁煙しようと目標を立てても、再びタバコが吸いたくなってしまうのかというと、タバコに含まれるニコチンの依存性に原因があります。
では、ニコチンの持つ依存性とはどのように作られていくのでしょうか。

タバコを吸うことにより、ニコチンは脳内に存在する「α4β2ニコチン受容体」と結合します。
ニコチンは肺に入ると、血液によってわずか6秒で脳へと達しα4β2受容体と結合します。
すると、快感や興奮を感じさせるドーパミンという中枢神経伝達物質が大量に放出され、喫煙者は心地良さや気持ち良さなどを感じることができます。

よく、ストレスを感じた時や不安を感じた時などにタバコを吸いたくなる人がいますが、それはタバコを吸うことでホッとできる、または気分が落ち着くといった効果を得たいからだと考えられます。
これは心理的依存に当たり、習慣性がつくことで心地良い感覚になったときのことを思い出してしまい、再びその時の感覚を味わいたいという欲求からタバコを吸いたくなってしまうのです。

しかし、ニコチンは体内に入ると分解されて尿などと一緒に体外へ排出されるため、血中濃度は低下していきます。
従って、効果が持続するのは30分程度であり、血中濃度が完全に低下すると再びストレスを感じたり、イライラ感などの離脱症状が表れてきます。
特に、タバコを吸ったことで快感効果が強く感じられた場合には、その快感を長く続けたくなる為、タバコを吸う間隔が短くなり依存していくのです。
タバコを吸いたいという気持ちが出てきてしまうと、頭では止めたいと思っていても簡単には止めることができなくなります。

驚くことに、ニコチン依存症はコカインやヘロインなどの薬物と同じレベルだといわれており、このことからも依存症になると、いかに禁煙が簡単でないことがよく分かります。
現在では、この症状は専門外来にて積極的禁煙治療を必要とする病気であるとされ、条件を満たすことで保険適用内での治療が可能となっています。

喫煙者の中には、タールやニコチンの量が少なければ体に与える影響も低くなると思っている人がいますが、それは間違いです。
実は1mgなどと書かれたタバコは、1本に含まれる量ではなく吸い込んだ際の量を示しており、タバコに含まれる成分量はどれも一緒なのです。
低量のものはフィルターを工夫することで吸い込む量を少なくしているだけなのです。
しかし、タバコの持ち方などによってはそれ以上の量を吸い込んでいることが多く、一般的なタバコとほぼ一緒であるケースがほとんどです。
そのため、体への悪影響にも違いが無いのです。

喫煙者が禁煙を始めた理由とは?

禁煙を始めたキッカケとしては、「健康に悪いから」という理由が多いように感じますが、最近の理由は少々違っています。
少し前までは、自分が病気になったり健康診断で引っ掛かったことがキッカケで禁煙を始めたという人が多かったのですが、現在は自分の周囲にいる人や喫煙環境などが関係しています。

喫煙に関する男女の意見交換会が行われ、そこでは禁煙経験のある男女の本音が書かれていました。
意見交換会では、まず「付き合っている男女の関係が上手くいかない理由」をテーマとして話し合いが進み、そこで結婚又は付き合いたくない理由として、男女ともに喫煙者が上位にランクインしました。
特に、男性は喫煙女性に対する厳しい意見が多かったです。

依存症になると、一人で何とかしようと思っても上手くいきません。
禁煙を成功させた人達は、一緒に始めた同僚と励まし合ったり、パートナーの支えがあったことで、「絶対に吸わない」という強い意志を持つことができたと話していました。

タバコを吸いたいのに吸えないのは、非常にストレスがかかります。
それなのに自分の隣でタバコを吸われたら、反動で自分も吸ってしまうでしょう。これではいつまで経っても禁煙することは不可能です。
そうならないためにも、周囲にも協力を仰いでタバコを吸いたくならない環境を整えていき、無理をしない方法で進めていくようにしましょう。

ある女性は、自分は全く禁煙するつもりはなかったが、一緒に喫煙していた同僚たちが次々と禁煙し始めた為、このままでは自分が最後の喫煙者になってしまうという焦りから始めていました。
ある男性も同じような理由で、妻も以前は喫煙をしていたが結婚を機に止め、その後は男性がタバコを吸うと嫌な顔をされたり、「臭い」といわれるようになり肩身が狭くなったことがキッカケだと話していました。
確かに、街中を歩いていても喫煙が許されているところが少なく、限られたスペースに多くの喫煙者が集まっている光景を目にします。
こうしたことからも、この男性のような肩身の狭い思いをしている喫煙者が他にも多くいることでしょう。

禁煙したことで初めて分かったことも多かったようで、それまでは自分もパートナーも喫煙者であったため嫌な部分には全く気付くことがなかったが、自分が禁煙をしてみてパートナーのタバコの臭いがすごく気になるようになったといいます。
それから、洋服にこんなにもタバコの臭いが付くのかということも実感したとのことでした。
その他にも、タバコを吸っている時は、喫煙するためにカフェに入ったりと、タバコ以外の出費も多かったことに気付いた人もいました。

自分に合った目標とご褒美を作る

喜ぶサラリーマン

禁煙しようと決断したら、まずは自分で止める努力をしましょう。
医療機関を受診する方法もありますが、保険適用になるには一定の条件があり、全ての人が保険適用内で治療を受けられるわけではありません。
従って、まずは自分だけで禁煙を成功させる努力をしましょう。

自分で禁煙を成功させるポイントは、4つあります。

喫煙に至るライフスタイルを変える

まず、どのような行動をした後にタバコを吸いたくなるかを思い出します。
例えば、食後に吸いたくなる場合には食後にストレスを発散できる何かを行う、コーヒーやアルコールを飲むとタバコを吸いたくなる場合には飲む回数を徐々に減らすなど、無理のない程度にライフスタイルを変えていきます。

喫煙のキッカケに繋がる環境を改善する

同僚やパートナーがタバコを吸っていると、どうしても吸いたいという衝動に駆られます。
そのため、自分の周辺の人に禁煙中であることを伝えて配慮してもらうようにお願いをしましょう。
又、自分の周りにタバコやライター・マッチなどは排除し、喫煙者が多く集まる居酒屋やパチンコ店などは避けるようにします。

タバコを吸いたくなった時に代わりとなる行動を見つける

禁煙スタート時は、よく「口が寂しい」と喫煙者は言います。
口が寂しくなったときは、代わりに糖分の無いガムを噛んだり、するめや干し昆布などを口に入れて欲求を抑えるようにします。
他にも氷を口に含んだり、歯磨きをするのも有効です。
ストレスが溜まりそうなときには、気分転換に散歩やジョギングをして軽く汗を流すとスッキリします。

目標が達成できた時のご褒美を作る

薬物と同レベルの依存性を持つニコチンを断つには、それなりの覚悟と努力が必要となりイライラしたり、欲求を抑えるのが辛くなることもあります。
そうした壁を越え目標を達成できた時には、自分に何かご褒美を与えると良いでしょう。
ご褒美があることで、辛いことにも打ち勝つ強い気持ちを持つことができるようになります。
目標は、最初から高くしてしまうと達成するのにも時間が掛かってしまうため、最初は自分が達成できそうなレベルに設定しておくのが効果的です。